オーディンの樫の木

クリスマスツリーにモミの木が使われる由来・ルーツ?

クリスマスツリーにモミの木が使われる由来・ルーツとして、「オーディンの樫の木」というキリスト教の伝説がある。オーディンとは北欧神話の主神のこと。

内容的には、もう一つの伝説「トールのオーク(ドナーのオーク)」と時代背景や登場人物などがほぼ同じ内容なので、是非とも両者を合わせて読んでいただきたい。

挿絵:エンジェル・オーク(Angel Oak/出典:wikipedia)

ゲルマニアへのキリスト教伝道

舞台は8世紀頃の西ヨーロッパ。4世紀後半に起きたゲルマン民族の大移動により、西ヨーロッパではゲルマン系のフランク王国が数世紀にわたって発展・拡大していた。

フランク王国でも旧ローマ帝国に近い地域はキリスト教が広まっていたが、ライン川の東、ドナウ川の北に位置する深い森が広がるゲルマニアには、まだ古来からのゲルマン民族による伝統的な文化が色濃く残っていた。

719年、宣教師ウィンフリート(Winfrid)は、教皇グレゴリウス2世からゲルマニアでのキリスト教伝道の任を与えられた。

その際、ウィンフリートは「善をなす人」を意味する「ボニファティウス Bonifatius」の名を授かり、以後この名で布教活動を務めることになる(「ボニファス/ボニフェイス Boniface」とも表記される)。

切り倒されたオーディンの樫の木

さて、ここからが「オーディンの樫の木」と「トールのオーク(ドナーのオーク)」でストーリーが分岐するポイントとなる。このページでは前者の物語を取り上げる。

ゲルマニアに赴いたボニファティウスは、森の中でショッキングな光景に遭遇する。大きな樫の木(カシの木)に動物や人間が生贄(いけにえ)として何体も吊るされていたのだ。

古いゲルマン神話の一つに北欧神話があるが、樫の木は北欧神話における主神オーディンの神木・聖なる木として神聖視されていたという。

キリスト教伝道師のボニファティウスからみれば、それは異教の野蛮で残酷な儀式(キリスト教にも残酷な一面はあるが)。

奇跡のモミの木

一刻も早くこの異教の儀式を止めさせてキリスト教へ導くため、ボニファティウス一行はその大きな樫の木、すなわち「オーディンの樫の木」を切り倒してしまった。

オーディンの怒りを買うと恐れおののく住民らを前に、ボニファティウスは熱心にキリストの教えを説いていった。すると倒れた樫の木のそばから、モミの若木が力強く生えてきたという。

ボニファティウスはこのモミの木をキリストによる「奇跡の木」として言い伝え、以後モミの木はキリスト教のシンボル的な存在として言い伝えられていったそうだ。

一説には、これが現在クリスマスツリーとしてモミの木が使われる由来・ルーツとなっているとのこと。伝説としてはよく出来たストーリーだ。

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